Excel のブックリンクの自動更新を無効にする設定を切り替えるには

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エクセルのブックリンクとは、外部のファイル (ブック) をセル参照することです。参照先のデータが編集されると、参照元が自動更新されるため最新の状態に同期できて業務効率化に役立ちます。

しかし、参照先のブックが常に安全であるとは限りません。怪しいファイルにブックリンクするとウイルス感染などの恐れがあります。

この記事では、より安全にブックリンクを行えるよう、自動更新を無効にするか有効にするかを切り替える設定を紹介します。既定では無効になっています。

ブックリンクのメッセージバー

ブックリンクの設定を適切に行うことで、これらのリスクを回避し、安全に自動更新ができるようになります。手動更新は設定に関わらずできます。

作成者が不明なファイルやインターネットから取得したファイルは危険なため、信頼できないものはすべて無効にするのが一般的です。

トラストセンターの設定にある外部コンテンツブックリンクのセキュリティ設定から、設定を切り替えられます。

ブックリンクの自動更新を無効/有効にする設定

ブックリンクの自動更新を無効/有効にする設定は、トラストセンターの設定のブックリンクのセキュリティ設定から選択します。

  1. エクセルを開きます。
  2. ファイルタブからオプションを選択します。または Alt + F, T キーの順に入力して、ショートカットからオプション画面を表示できます。
    ファイルタブを選択
    ファイルのオプションタブを選択
  3. トラストセンタータブからトラストセンターの設定を選択して、トラストセンターの設定画面を表示します。
    オプションのヘッダー オプションのトラストセンタータブを選択
    トラストセンターの設定を選択
  4. 外部コンテンツタブからブックリンクの自動更新時に確認のメッセージを表示するまたはブックリンクの自動更新を無効にするを選択します。
    トラストセンターのヘッダー トラストセンターの外部コンテンツタブを選択
    ブックリンクの自動更新の設定を無効にするを選択
    ブックリンクの自動更新時に確認のメッセージを表示するを選択すると、ファイルを開いたときに有効にするか選択できます。
  5. OK を選択します。
    オプションの OK ボタン

これで、ブックリンクが含まれているファイルに対して自動で無効な状態で開かれるようになりました。

自動更新を無効にしても手動更新はできます。

🟩すべてのブックリンクの自動更新を有効にしない

自動更新を毎回有効化するのが面倒だという理由ですべてのブックリンクの自動更新を有効にする (推奨しません) を選択してはいけません。悪意のあるブックに対して危険な状態になります。

ブックリンクの自動更新の設定を有効にするを選択

代わりにフォルダーを信頼できる場所に設定する方法があります。信頼できるブックリンクを含むファイル、またはリンク先のファイルをそのフォルダーに置くと、設定に関わらず有効になります。

ブックリンクを含むファイルを開いてみる

ブックリンクを含むファイルを開くと、それぞれの設定により自動更新が無効化されます。

インターネットから取得したファイルは先に保護ビューを解除しないと自動更新を有効化できません。保護ビューなどのセキュリティ制限と解除する方法で詳しく解説しています。

インターネットから取得した保護ビューのメッセージバー

🔒すべてのブックリンクの自動更新を有効にする (推奨しません)

ブックリンクの自動更新が有効になります。ただし、参照先のブックが開かれていないときはメッセージが表示されます。更新するを選択すると最新の状態に更新されます。更新しないを選択すると更新されません。

参照先のブックが開かれていないときのメッセージ
最も危険な設定のため、推奨しません。

🔒ブックリンクの自動更新時に確認のメッセージを表示する

ブックリンクの自動更新が無効になります。メッセージにはリンクの自動更新が無効にされましたが表示されます。

メッセージバーのコンテンツの有効化を選択して、有効にできます。そのファイルは信頼済みドキュメントになり、以降は自動更新が有効化された状態で表示されます。アクティブコンテンツを有効にする方法で詳しく解説しています。

メッセージバーのコンテンツの有効化を選択

参照先のブックが開かれていないときはメッセージが表示されます。更新するを選択すると最新の状態に更新されます。更新しないを選択すると更新されません。

参照先のブックが開かれていないときのメッセージ
信頼できるファイルのみ有効にすることで、安全性を確保できます。

🔒ブックリンクの自動更新を無効にする

ブックリンクの自動更新が無効になります。有効化することはできません。無効にしているメッセージなどは表示されません。

最も安全な設定ですが、信頼できるブックリンクも無効になります。

🔄手動更新はできる

どの設定で自動更新を無効にしても、手動更新は常に行えます。

  1. データタブからブックのリンクを選択します。または Alt + A, K キーの順に入力して、ショートカットから選択できます。
    データタブを選択 ブックのリンクを選択
  2. すべて更新を選択します。
    ブックのリンクのすべて更新を選択

これで、ブックリンクが手動で更新されました。

その他の外部コンテンツの設定

  • データ接続の設定:外部のデータベースやファイルからデータを取得する機能。
  • リンクされたデータ型のセキュリティ設定:株式、通貨、地理などのリンクされたデータ型。
  • 動的データ交換のセキュリティ設定:Dynamic Data Exchange (DDE) を使用してデータを送受信するための機能。
  • 信頼できないソースからの Microsoft Query ファイルを開くためのセキュリティ設定:拡張子が .iqy, .oqy, .dqy, .rqy のファイルを使用して外部のデータベースからデータを取得する機能。

アクティブコンテンツを無効/有効にする設定

ブックリンク以外にもアクティブコンテンツを無効/有効にする設定がそれぞれあります。

  • マクロの設定:操作を自動化するプログラム。
  • データ接続の設定:外部のデータベースやファイルからデータを取得する機能。
  • ActiveX の設定:シートやフォームの入力コントロール。詳細については近日公開予定です。
  • アドインの設定:エクセルを拡張する機能。詳細については近日公開予定です。
アクティブコンテンツを有効化する方法について、アクティブコンテンツを有効にする方法で詳しく解説しています。

まとめ

  • リンク先のセキュリティ:ブックリンク元と参照先のファイルのセキュリティを確保する必要があります。
  • 悪意のあるファイル:作成者が不明なファイルやインターネットから取得したファイルはすべて危険です。不用意にブックリンクしたり開いたりしないように注意します。
  • 基本は無効化:ブックリンクが含まれているとは知らずにファイルを開いてしまうことがあります。そんなときでも自動で無効化されていると安全に開けます。
  • 個別に有効化:自身が作成したブックリンクとリンク先のファイルは有効にしても問題ないのでブックリンクの自動更新時に確認のメッセージを表示するの設定から、ファイル単位で有効化します。

この設定を活用してエクセルの時短に役立ててください。