Excel の ActiveX コントロールを無効にする設定を切り替えるには

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エクセルの ActiveX コントロールとは、VBA マクロと連携して入力コントロールを提供します。ボタンをクリックしてマクロを実行したり、テキストボックスに入力してその内容をマクロで処理できるようになります。

しかし、ActiveX コントロールに脆弱性があったり、作成者が不明な場合は悪意のあるコードが埋め込まれ、ウイルス感染などの恐れもあります。

この記事では、より安全に ActiveX コントロールを使えるよう、ActiveX コントロールを無効にするか有効にするかを切り替える設定を紹介します。マクロと連携するため、マクロが無効な時は ActiveX コントロールも使用できません。

ActiveX のメッセージバー

トラストセンターの設定にあるActiveX の設定からコントロールを無効にするを選択して、無効にできます。

ActiveX コントロールを無効/有効にする設定

ActiveX コントロールを無効/有効にする設定は、トラストセンターの設定のコントロールを無効にするまたはコントロールを有効にするを選択します。

  1. エクセルを開きます。
  2. ファイルタブからオプションを選択します。または Alt + F, T キーの順に入力して、ショートカットからオプション画面を表示できます。
    ファイルタブを選択
    ファイルのオプションタブを選択
  3. トラストセンタータブからトラストセンターの設定を選択して、トラストセンターの設定画面を表示します。
    オプションのヘッダー オプションのトラストセンタータブを選択
    トラストセンターの設定を選択
  4. ActiveX の設定タブから次のいずれかを選択します。
    • 警告を表示せずにすべてのコントロールを無効にする
    • 先に確認メッセージを表示してから、初期化に危険が伴うコントロールには制限を強化し、初期化しても安全なコントロールには最低限の制限を適用して有効にする
    • 先に確認メッセージを表示してから、最低限の制限を適用してすべてのコントロールを有効にする
    トラストセンターのヘッダー トラストセンターの ActiveX の設定タブを選択
    ActiveX の設定の ActiveX コントロールを無効にするを選択
    先に確認メッセージを表示してから、… を選択すると、ファイルを開いたときに有効にするか選択できます。
  5. OK を選択します。
    オプションの OK ボタン

これで、ActiveX コントロールが含まれているファイルに対して自動で無効な状態で開かれるようになりました。

この設定は Word など他の Office アプリと共通設定です。

🟩ActiveX コントロールを有効にしない

ActiveX コントロールを毎回有効化するのが面倒だという理由で 確認メッセージを表示せずに、すべてのコントロールを制限なしに有効にする (推奨しません …) を選択してはいけません。脆弱性や悪意のある ActiveX コントロールに対して危険な状態になります。

ActiveX の設定の ActiveX コントロールを有効にするを選択

代わりにフォルダーを信頼できる場所に設定する方法があります。信頼できる ActiveX コントロールを含むファイルをそのフォルダーに置くと、設定に関わらず有効になります。

ActiveX コントロールを含むファイルを開いてみる

ActiveX コントロールを含むファイルを開くと、それぞれの設定により ActiveX コントロールが無効化されます。また、マクロの設定が無効な状態だと設定に関わらず ActiveX も無効になります。

インターネットから取得したファイルは先に保護ビューを解除しないと ActiveX コントロールを有効化できません。保護ビューなどのセキュリティ制限と解除する方法で詳しく解説しています。

インターネットから取得した保護ビューのメッセージバー

🔒警告を表示せずにすべてのコントロールを無効にする

ActiveX コントロールが無効になります。有効化することはできません。

ファイルタブ > 情報 にメッセージが表示されます。

ActiveX コントロールのセキュリティ情報
最も安全な設定ですが、信頼できるコントロールも無効になります。

🔒先に確認メッセージを表示してから、初期化に危険が伴うコントロールには制限を強化し、初期化しても安全なコントロールには最低限の制限を適用して有効にする

次の先に確認メッセージを表示してから、最低限の制限を適用してすべてのコントロールを有効にすると同じです。

🔒先に確認メッセージを表示してから、最低限の制限を適用してすべてのコントロールを有効にする

安全な ActiveX コントロールと、安全でないものがあります。安全なのは標準コントロールです。安全でないのは右下から選択できるコントロールです。どちらのコントロールが含まれるかで、無効になるかが変わります。

安全な ActiveX コントロール 安全でない ActiveX コントロール

安全な ActiveX コントロールだけなら有効になります。

安全でない ActiveX コントロールが含まれているときは無効になります。メッセージにはActiveX コントロールが無効にされました。が表示されます。

メッセージバーのコンテンツの有効化を選択して、有効にできます。そのファイルは信頼済みドキュメントになり、以降は ActiveX コントロールが有効化された状態で表示されます。アクティブコンテンツを有効にする方法で詳しく解説しています。

メッセージバーのコンテンツの有効化を選択
  • 信頼できるファイルのみ有効にすることで、安全性を確保できます。
  • 通常はマクロも無効になっているので合わせて有効にできます。

🔒確認メッセージを表示せずに、すべてのコントロールを制限なしに有効にする (推奨しません …)

ActiveX コントロールが有効になります。

最も危険な設定のため、推奨しません。

その他の ActiveX コントロールの設定

セーフモード:より安全に ActiveX コントロールを使用できます。

アクティブコンテンツを無効/有効にする設定

ActiveX コントロール以外にもアクティブコンテンツを無効/有効にする設定がそれぞれあります。

アクティブコンテンツを有効化する方法について、アクティブコンテンツを有効にする方法で詳しく解説しています。

まとめ

  • 基本は無効化:ファイルを開くまで ActiveX コントロールが含まれているのかわかりません。常に無効化していると安全に開けます。
  • 安全なコントロール:標準コントトロールは比較的安全なので有効化できます。しかしマクロに悪意のあるコードが含まれている恐れがあるため、慎重に有効化する必要があります。
  • 安全でないコントロール:コントロールそのものに脆弱性や悪意のあるコードが含まれている恐れがあるため、基本は無効化します。信頼できるときだけ有効化します。
  • Office アプリとの共通設定:Word など他の Office アプリで同じ設定を変更すると、Excel の設定も同様に変更されます。

この設定を活用してエクセルの時短に役立ててください。