Excel のファイルを保護する方法とは
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エクセルのファイルの保護やブックの保護という言葉を聞いたことはありますか。
- 重要なデータが含まれている:顧客情報のような機密性の高いデータが含まれているファイルを、誰でも閲覧できると情報流出の危険がありますよね。
- 共同作業で誤ったデータ変更を防ぎたい:チームでファイルを共有して閲覧するとき、誤ってデータを変更されては困りますよね。
- 最終的な結果を固定したい:資料が完成したときにこれ以上変更されたくないときがありますよね。
このような様々な状況から大切なファイルを守ることができます。
適切な保護の方法を選択することで、情報漏洩や不正な改ざんなどから守ることができます。
ファイルの保護とは
ファイルの保護とは、ファイルにパスワードを設定して閲覧を禁止したり、読み取り専用にして上書き保存を禁止することです。また最終版にすると、すべての編集操作ができなくなります。
🔒パスワードを設定
パスワードを設定すると、ファイルを開くときにパスワードの入力が求められます。正しいパスワードを入力しないと、そのファイルを開けなかったり、保存できなくなります。
強力なパスワードを設定することで、セキュリティをさらに強化できます。パスワードを忘れないように、また漏洩しないように厳重に管理する必要もあります。

🔒読み取り専用について
ファイルが読み取り専用で開かれると、タイトルバーに読み取り専用と表示されます。

上書き保存しようとすると {ファイル名} は読み取り専用のため、上書き保存できません。というメッセージが表示され、保存できません。
名前を付けて保存することはできますが、元のファイルを上書きすることはできません。
🔒最終版について
最終版にすると主に次のようになります。
- セルの編集不可:セルに入力できなくなります。コピーはできますが、貼り付けはできません。
- 行や列のサイズが変更不可:行の高さや列の幅を変更できなくなります。常に固定された表示になります。
- シートの変更不可:シートを追加したり移動するなどすべての編集ができなくなります。
- 編集コマンドが使用不可:リボンやクイックアクセスツールバーの編集に関連するコマンドがすべて使用不可になります。編集に関係ないコマンドは使用できます。
- 上書き保存の禁止:ファイルが読み取り専用になり上書き保存できなくなります。名前を付けて保存はできます。
ファイルを保護する方法
それぞれの保護する方法と、それをどんなときに選択すべきかを紹介します。
🔒閲覧禁止
エクセルで設定できる最も強固なセキュリティです。
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ファイルを開くのをパスワードでロックする:
- 保護する方法:ファイルにパスワードを設定します。正しいパスワードを入力しないかぎり開けません。暗号化してデータを盗み取ることから守ります。
- 対象:顧客情報など機密性の高い重要なデータが含まれている。情報流出の危険から守りたい。
🔒読み取り専用
どの方法でも読み取り専用を解除する方法があります。
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ファイルをパスワードでロックして上書き保存を禁止する:
- 保護する方法:ファイルにパスワードを設定します。パスワードを知らないユーザーは読み取り専用として開けます。正しいパスワードを入力すると保存できます。
- 対象:チームで同じファイルを共有するときに、特定の人だけ書き込みを許可したい。他の人には編集させたくない。読み取り専用を簡単に解除されたくない。
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ファイルを常に読み取り専用で開く:
- 保護する方法:ファイルのプロパティから読み取り専用を設定します。ファイルが必ず読み取り専用で開かれます。
- 対象:チームで同じファイルを共有するときに、誤って編集するのを防ぎたい。安全に閲覧したい。
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ファイルを読み取り専用で開くか選択する:
- 保護する方法:ファイルを開くときに読み取り専用で開くか選択します。
- 対象:チームで同じファイルを共有するときに、安全に閲覧したい。基本的に編集しないが状況によっては編集する必要があるとき。
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ファイルを一時的に読み取り専用で開く:
- 保護する方法:ファイルを今だけ読み取り専用で開きます。
- 対象:ファイルの内容を確認するときに誤って変更したくない。
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ファイルを読み取り専用に切り替える:
- 保護する方法:ファイルを開いた後に、読み取り専用に切り替えられます。その逆もできます。
- 対象:ファイルの内容を確認するときに、読み取り専用で開くのを忘れたとき。開き直すのが面倒なとき。
🔒最終版
最終版はだれでも簡単に解除できます。
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ファイルを最終版にして編集禁止にする:
- 保護する方法:ファイルを読み取り専用にします。セルやシートなどすべての編集を禁止します。行や列のサイズ変更もできなくなります。
- 対象:書類が完成した。これ以上変更されたくないのを、他の人にわかるようにしたいとき。
エクセル以外でファイルを保護する方法
ファイルを保護するにはエクセルで設定する以外にも方法があります。この方がファイル単位ではなく、ユーザー単位でアクセス制御できるため安全です。
- サーバー:ユーザーにアクセス権を設定して、必要な人にだけファイルを閲覧したり保存したりできるように制限できます。
- OneDrive:ユーザーに権限を設定して、ファイルを閲覧したり編集できる人を制限できます。
- Information Rights Management (IRM):ファイルを暗号化したり、ユーザーに閲覧や編集、印刷などの権限を設定できます。
または、ファイルを PDF に変換すると、読み取り専用になるためデータの改ざん防止になります。また、エクセルを持っていない人でもブラウザで簡単に閲覧できるようになります。
まとめ
- パスワード:パスワードを設定してファイルをロックするのが最も強力なセキュリティです。パスワードの管理に注意が必要です。
- 安全に閲覧:読み取り専用にして意図しない変更から守り、安全にファイルを閲覧できます。
- アクセス制御:サーバーや OneDrive などからユーザー単位にアクセス権を設定してセキュリティを強化できます。
- まとめ記事:公開しているすべてのファイル(ブック)の保護に関連する記事をまとめています。
この方法を活用してエクセルの時短に役立ててください。