Excel のファイル形式ごとに保護ビューで開くか切り替えるには

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エクセルの古いバージョンで作成されたファイル形式には開いたり保存することに脆弱性があり、ウイルスやマルウェアなどに感染する恐れがあります。

そこで役立つのがファイル制限機能です。ファイル形式単位に開くのを禁止したり、保護ビューで開いて読み取り専用にできます。

誤って古いバージョンのファイルを開いて被害にあわないように、危険なファイル形式にはファイル制限を設定するのが大切です。

トラストセンターの設定にあるファイル制限機能の設定からファイル形式をチェックして、制限できます。

ファイル制限機能の設定を有効にする

ファイル制限機能の設定を有効にするには、トラストセンターの設定の開くまたは保存をチェックします。

  1. エクセルを開きます。
  2. ファイルタブからオプションを選択します。または Alt + F, T キーの順に入力して、ショートカットからオプション画面を表示できます。
    ファイルタブを選択
    ファイルのオプションタブを選択
  3. トラストセンタータブからトラストセンターの設定を選択して、トラストセンターの設定画面を表示します。
    オプションのヘッダー オプションのトラストセンタータブを選択
    トラストセンターの設定を選択
  4. ファイル制限機能の設定タブから制限を設定したいファイル形式の開くまたは保存をチェックします。
    トラストセンターのヘッダー トラストセンターのファイル制限機能の設定タブを選択
    ファイル制限機能の開くと保存をチェック
    • 開くをチェックすると次の選択した形式のファイルを開く処理が適用されます。
    • 保存をチェックすると保存が禁止されます。
    • 開くだけチェックすることはできません。必ず保存もチェックする必要があります。
    ファイルの種類にマウスカーソルを合わせると、その拡張子が表示されます。
    ファイル形式の拡張子を表示
  5. 開くをチェックした形式に対して次のいずれかの選択した形式のファイルを開く処理を選択します。
    • 選択した形式のファイルを開かない
    • 選択した形式のファイルを保護ビューで開く
    • 選択した形式のファイルを保護ビューで開き、編集可能にする
    ファイル制限の選択した形式のファイルを開く処理を選択
    開くをチェックした形式のファイルを開くときにこの処理が適用されます。
  6. OK を選択します。
    オプションの OK ボタン

これで、ファイル形式に対して開くのを禁止したり、自動で保護ビューで開かれるようになりました。

Excel 2007 以降のファイル形式が最新です。それより古いファイル形式にはすべて開くをチェックするのが安全です。

保護ビューとは

ファイルが保護ビューで開かれると、それを表す内容がタイトルバーに表示され、次のような黄色いメッセージバーが表示されます。メッセージにはいくつか種類があります。

保護ビューとは

編集が制限され保存や印刷もできなくなります。マクロやデータ接続などのアクティブコンテンツが無効になります。これによりウイルスなどの危険を最小限に軽減できます。

詳しくは保護ビューなどのセキュリティ制限と解除する方法で解説しています。

ファイルを開いてみる

✅保存をチェック

保存をチェックしているときは、その形式で保存するとメッセージが表示され保存できません。その形式で開いていても、違う形式にして保存することは可能です。どの形式で開いているかではなく、どの形式で保存しようとしているかで判断しています。

ファイル制限により保存禁止のメッセージ
Excel 97-2003 ブック (*.xls) の保存をチェックしているときは、その形式で保存できませんが、他の形式ブック (*.xlsx) などで保存することは可能です。

✅開くをチェック

開くをチェックした状態でそのファイル形式のファイルを開くと、それぞれの設定によって開かれます。

🔒開くをチェックしていない

保存だけチェックしているときは、いつも通りの状態で開かれます。その形式での保存が禁止される以外の制限はありません。

危険な設定のため、推奨しません。

🔒選択した形式のファイルを開かない

ファイルを開くことはできません。メッセージにはトラストセンターのファイル制限機能の設定でブロックされている種類 (…) のファイルを開こうとしています。が表示されます。

ファイル制限により開く禁止のメッセージ
最も安全な設定ですが、ファイルの内容を確認できなくなります。

🔒選択した形式のファイルを保護ビューで開く

保護ビューで開かれ解除することはできません。保存もできません。メッセージにはポリシーの設定が原因で、このファイルの種類を編集できません。クリックすると詳細が表示されます。が表示されます。

ファイル制限により保護ビューで開かれる
安全にファイルの内容を確認できます。

🔒選択した形式のファイルを保護ビューで開き、編集可能にする

保護ビューで開かれます。メッセージにはトラストセンターの現在のファイル制限機能設定では、この種類のファイルを編集することはお勧めできません。クリックすると詳細が表示されます。が表示されます。

メッセージバーの編集を有効にするを選択して、信頼済みドキュメントにします。編集や印刷が可能になります。保存をチェックしているので、その形式で保存できません。保護ビューを解除して編集する方法で詳しく解説しています。

ファイル制限により保護ビューで開かれ、編集を可能にする
信頼できるファイルであっても脆弱性により悪意のあるコードが埋め込まれている恐れがあります。

最新の形式に変換する

古い形式には脆弱性があり危険なので、最新の形式に変換すると安全です。

名前を付けて保存するときにファイルの種類を最新の形式に変更して保存できます。ただし、保存するためには保護ビューを解除して編集可能な状態にする必要があるので危険な状態になります。

安全に変換するためには、保護ビューで開いてセルをコピーして新しいファイルに貼り付けます。手間がかかりますが安全です。

自動で保護ビューで開く設定

エクセルはウイルスなどの危険から守るために、怪しいファイルはすべて自動で保護ビューで開く設定になっています。その設定を有効/無効に切り替えられます。

その他の保護ビューの設定など、セキュリティ制限と解除する方法で詳しく解説しています。

まとめ

  • ウイルススキャン:古い形式には脆弱性があるためどんな脅威が潜んでいるのかわかりません。まずウイルススキャンを実施するのが大切です。
  • ファイルを開かない:古い形式を開くことはウイルスに感染するなど危険な行為です。誤って開かないように不要なら削除するのが安全です。
  • 保護ビューで開く:ファイルを開く必要があるなら、すべての古い形式の開くをチェックして保護ビューで開くのが安全です。

この設定を活用してエクセルの時短に役立ててください。