Excel の新しいファイルの既定値を変更するには

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エクセルで新しいファイルを作成したときに、ブックの設定やシートの状態、行や列のサイズなどを変更したいと思ったことはありませんか。

この記事では、新しいファイルの既定値を変更する方法を紹介します。テンプレートを元に新しいファイルを作成できるようになります。

ファイルを作成するたびに同じように設定を変更しているなら、その変更済みのファイルをテンプレートにすることで、毎回変更する手間を省けます。

クイックアクセスツールバーから新規作成したり、Ctrl + N キーを入力したときに専用のテンプレートから新しいファイルを作成できます。空白のブックを選択したときは変わりません。

スタートアップフォルダーに Book.xltx のテンプレートを作成して、既定値を変更できます。

新しいファイルの既定値を変更する

新しいファイルを作成したときの既定値を変更するには、そのように設定済みのファイルをテンプレートとして作成し、それをスタートアップフォルダーに保存します。

オプション画面にある多くの設定はエクセル全体の設定です。それ以外のファイル単位やシート単位の設定を変更するとそれを既定値にできます。
  1. エクセルを開きます。
  2. ブック設定の既定値:ブックの設定を好きなように変更します。スクロールバーの表示/非表示などのファイル単位の設定を変更すると、それを既定値にできます。
    ファイル単位の設定
  3. シート設定の既定値:シートの設定を好きなように変更します。シート数やシート名などに加えてページ設定などのシート単位の設定を変更すると、それを既定値にできます。
    シート単位の設定
    ページレイアウトタブを選択 リボンのページレイアウトグループ
  4. セル設定の既定値:セルや行や列の設定を好きなように変更します。行や列のサイズやセル全体の書式設定などを既定値にできます。
    セルやシートの状態
    アクティブセルの位置も保存されるのでセルA1 を選択しておきます。
  5. すべての設定を変更したら F12 キーを入力します。ファイルの種類から Excel テンプレート (*.xltx) を選択して、ファイル名に Book.xltx を入力します。保存を選択してテンプレートとして保存します
    新しいファイル専用のテンプレートを作成
    • ファイル名の大文字と小文字は区別されません。
    • このテンプレートから新しいファイルが作成されるようになります。
    • Excel テンプレート (*.xltx) を選択した後に、保存先のフォルダーのパスをコピーしておきます。
  6. エクスプローラーから保存したテンプレート Book.xltx をコピーします。
    テンプレートのファイルをコピー
    テンプレートを編集するときは、このファイルを編集してからコピーします。貼り付け先のフォルダーは管理者権限が必要なため直接編集できません。
  7. エクスプローラーからユーザーのスタートアップフォルダーに貼り付けます。次の場所にあります。ただし、Excel や Windows のバージョンによって異なる場合があります。

    ユーザーのスタートアップフォルダー:

    C:\Users\{ユーザー名}\AppData\Roaming\Microsoft\Excel\XLSTART\

    アプリのスタートアップフォルダー:

    C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16\XLSTART\

    Windows の全ユーザーで共通のテンプレートにするときは、こちらのフォルダーに保存します。

    貼り付けるときに Windows の管理者権限が必要になります。
  8. エクセルを閉じます
    エクセルを再起動すると反映されます。

これで、空白のブックを選択する以外の方法で作成される新しいファイルが、そのテンプレートを元に作成されるようになりました。

新しいファイルを作成してみる

空白のブックを選択する以外の方法から新しいファイルを作成すると、テンプレート Book.xltx から作成されます。

  • スタート画面で Esc キーを入力します。
  • クイックアクセスツールバーから新規作成を選択します。
  • Ctrl + N キーを入力してショートカットキーから作成します。
  • 起動時にスタート画面を表示しないように設定して、エクセルを起動して作成します。
誤って標準のファイル形式の .xlsx をスタートアップフォルダーに保存すると、エクセルの起動時にファイルを自動的に開くようになります。
ユーザーのスタートアップフォルダーアプリのスタートアップフォルダーの両方に Book.xltx があるときは、アプリのスタートアップフォルダーのファイルが優先されます。

📁スタートアップフォルダーを使わない

スタートアップフォルダーにテンプレート Book.xltx を作成しないで同じことをするには、個人用テンプレートを作成してそれを毎回選択してファイルを作成します。

その時は、クイックアクセスツールバーやショートカットキーから作成すると空白のブックが作成されます。

📑新しいシートの既定値を変更する

新しいシートを追加したときの既定値を変更するには、同じ方法で Sheet.xltx を作成すると、それを元にして新しいシートを挿入できます。

新しいファイルの既定値を元に戻す

新しいファイルの既定値を元に戻すには、作成した Book.xltx を削除します。

後から使用するかもしれないときは個人用テンプレートの既定の保存場所に保存しておくと個人用テンプレートから作成することができます。
  1. エクスプローラーからスタートアップフォルダーに保存したテンプレート Book.xltx を削除します。
    テンプレートのファイルを削除

    ユーザーのスタートアップフォルダー:

    C:\Users\{ユーザー名}\AppData\Roaming\Microsoft\Excel\XLSTART\

    アプリのスタートアップフォルダー:

    C:\Program Files (x86)\Microsoft Office\root\Office16\XLSTART\

  2. エクセルを閉じます

これで、新しいファイルが空白のブックから作成されるように戻りました。

テンプレートをカスタマイズする

テンプレートを編集したり、豊富なデザインから選択して新しいブックを作成できます。

その他のカスタマイズ方法など、テンプレートに関連する記事をまとめて紹介します。

まとめ

  • 時間短縮:新しいファイルを作成するたびに設定を変更する必要がなくなり作業効率がアップします。
  • 空白のブックは対象外:空白のブックを選択したときだけは、必ず既定の新しいファイルが作成されます。
  • 個人用テンプレート:個人用テンプレートから作成する方法を、クイックアクセスツールバーやショートカットキーから省略して作成できるようになります。
  • 新しいシートとの整合性:Sheet.xltx から新しいシートの既定値を変更しているときは、そのシートと同じ設定にすると整合性が取れます。

この方法を活用してエクセルの時短に役立ててください。